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「非武力紛争地域」

先月から今月にかけての「九州遠征」もいったん終了。昨日福岡から家に戻ってきたら、天井から雨漏りしているではないか。2年前に一時的に修復した場所と同じところだった。これも「同じことの繰り返し」か。古い家だから、やはり根本的に直さないとダメかな。

いまは世間でも、恐らくネット上でも、みんなワールドカップサッカーの感想・評論・予想ばかりだろうから、逆にこのブログでは当分の間は、一切サッカーの話はしないことにした。

それよりも、昨日は一瞬目が飛び出そうになった記事が毎日新聞の一面に掲載されていた。

「恒久法:海外派遣、自衛隊に治安任務 武器使用を緩和--自民原案」(毎日新聞6月14日付)
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060614ddm001010107000c.html

いよいよ、ついに、現れたぞ。「治安任務」への道。

国会閉会間際のどさくさ紛れに、こんな法案が準備されているとは。サマワの「非戦闘地域」に続いて、今度は「非武力紛争地域」だ。それって何だ? 住民が口喧嘩でもしている場所か?別れ話がもつれて殴り合いになっっている夫婦の家の中か?「非武力」で紛争をやっている地域に対して、「武力を携えた」自衛隊を派遣する理由は何なんだ?

92年のカンボジアPKOで、自衛隊は初めて海外派遣された。それから12年後の2004年にイラク戦争の地に自衛隊。とすると、2016年ごろには、こんな新聞記事がベタ記事程度で掲載されているかも。

『防衛省に入った連絡によると、●月●日午後、●●の「非武力紛争地域」で治安維持活動にあたっている日本の自衛軍が、車両で移動中に路肩爆弾の攻撃に遭った。その直後、武装グループとみられる集団の銃撃を受け、「正当防衛」を理由に5人を殺害した模様だ。自衛軍側も路肩爆弾で2人が死亡。銃撃では1人が死亡、2人が重傷を負った。●年に「自衛軍」となって以降、治安維持活動中の死者はこれで100人を超えた。防衛省は会見で「路肩爆弾での攻撃は武力紛争とはみなされない。「自衛軍が展開している場所が非武力紛争地域」だ。これまで同様、比較的治安が安定した地域ととらえているので今後の活動に支障はない。」としている。』

「自衛隊が活動している場所が非戦闘地域」「これまで同様、比較的治安が安定した…」の言葉の部分は、サマワの自衛隊に関して首相や防衛庁長官が会見などで使ってきた。

いまイラクでアメリカ軍兵士がやっていることは「治安任務」だし、サマワの街でこれまでオランダ軍やイギリス軍がやってきたことも「治安任務」にほかならない。つまり、「治安任務として」誰かを殺害する、ないしは「治安任務遂行中に」誰かに殺される状況だ。それと同じことを自衛隊がやる。

やっぱり今の憲法があってよかったと思う。これをいま変えたら大変だ。

月刊「論座」7月号(朝日新聞社)http://opendoors.asahi.com/data/detail/7416.shtml で、東京新聞の半田滋記者とジャーナリストの前田哲男さんが対談している(「新聞報道ではわからない!米軍再編」)。お二人とも防衛庁・自衛隊の内情に詳しいから、今度の米軍再編最終報告が何をもたらすのか、非常に示唆に富む内容だった。その中で、前田さんが話した次の造語は本質を突いているように思えた。

『(中略)これは米軍再編である以上に自衛隊再編だということですよ。新聞は米軍と自衛隊の「一体化」「融合」と書くが、僕は「一部化」「吸収」だと思う。』

自衛隊が米軍と「一体化」するのではなく、むしろ米軍の「一部」となった方が、米軍は都合よく自衛隊を利用できる。とすれば、どこかの国で自衛隊が米軍の一部となって「治安任務」を協力してやったとしても不思議ではない。

この国はいろんな「一線」をこの10年ほどでどんどん越えてきたが、もしこの法案が次の国会あたりで提出・審議・成立したら手遅れになる。すると、もはや憲法9条を急いで変える必要もないだろう。下の法律をどんどん変えていくことで、実質的に「憲法9条改正」となる。

…………………………………………………
綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
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2006-06-16 13:17  nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(1) 

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コメント 3

らっ子

>自衛隊が米軍と「一体化」するのではなく、むしろ米軍の「一部」となった方が、米軍は都合よく自衛隊を利用できる。

先日テレビで米軍と一体となって演習する自衛隊を見ました。アメリカはそのうち、自国の兵士を危険な所に送らず、自衛隊を送ろうと言い出すのではと、ふと思ってしまいました。

>もはや憲法9条を急いで変える必要もないだろう。下の法律をどんどん変えていくことで、実質的に「憲法9条改正」となる。

本当にそうです!身震いするくらい怖いことが進んでいるのに、止められない。
無力感に襲われそうになります。でも、辺野古の人たちから逆に励まされます。止めるしかないです。
平良夏芽さんの文「日米『合意』と沖縄」
http://www.ne.jp/asahi/teori/suzume/natume.htm
by らっ子 (2006-06-16 22:44) 

T

「非戦闘地域」に「非武力紛争地域」...まだまだ出てくることでしょう。憲法よりもアメリカの圧力を上に置いている限りは。
先日NHKの討論番組で米軍基地をやっていました。額賀防衛庁長官 vs 沖縄の基地反対住民という構図でしたが、話がまるで噛み合わない。それは、政府側がアメリカの言いなりであることを一切認めようとしないことに尽きると思う。本当に市民/国民のためを思うなら、例えば「アメリカの圧力は凄まじく、現状屈した格好になっている。しかしこのままでいいとは全く思っていない。これから圧力をどう撥ね返すか。それには皆さんの力がどうしても必要です」などと言ってこそスタートラインに立てるというものでしょう。番組中、ゲストが「長官のような偉い人が糾弾覚悟で住民の話を聴きに来る、こんな国は他にないよ」と言っていました。こんなんじゃァどうしようもありません。
by T (2006-06-17 14:58) 

sasa

こんにちは。私もその番組見ました。基地の隣接住宅で子供の頃から暮らし、若くて亡くなった友人がいました。病気もあって他に移る生活力もなく、長年騒音に耐え続けていました。
 よく「騒音が嫌なら他へ移れば」というのを聞きます。でも、それができるのは飛び出していける精神的、経済的強さのある人で、個々の状況で無理なこともあります。また、一度手に入れた住宅を手放すのは、現実問題として困難では?実際、新築の売り出し時に騒音の実体を知らされず購入した人も多いと思います。沖縄にしても、外に出ていけず基地と暮らし続けるしかない人達にとっての深刻さを考えるべきだと思います。
 番組中、戦後こんなにたつのに、今だに平均収入は本土の1/4、良くなると思えばこそ基地を受け入れたのに、と年配の方が怒りを露わにしていました。沖縄の米軍基地にしろ、原発にしろ、また、外国人労働者問題にしろ(介護の手が足りないからフィリピンの人達にさせろ、といった)、本来は自分達の負担であるものを、一段低いと思われる相手に、抗しがたい状況を利用して次々押し付けていく構造は、もうどうにもならないのでしょうか?基地も原発も減らしていく方法を考えるべきだと感じまた。
by sasa (2006-06-18 16:06) 

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