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【3月20日=続・戦火のバグダッドから その10】

▼共同通信から全国の加盟新聞社に配信
「開戦4年 バグダッド現地報告」
恐怖の牢獄と化した街  宗派対立で社会崩壊進む
文・写真 綿井健陽

※3月21日(水・祝)付け以降の各地方紙に掲載されます。全国紙には掲載されません。見出しは各紙によって異なります。

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3月19日撮影=勤務の合間にボールを蹴って遊ぶイラク軍兵士

ちょうど今日(20日)でイラク戦争開戦から4年なんだが、バグダッドの街中では特に何も催しや集会はなかった。確か去年もそう。実際それどころではない。4年前の「開戦記念日」を懐かしがっている余裕はない。4年前どころか、その前からも、昨日も今日も明日も、イラクでは次々と人が殺されていくのだから。

4年前にもバグダッド市民の一人が「イラクでの戦争は3月20日から始まったわけじゃない」と言っていた。その一方で、何とか日々の小さな楽しみを見つけるのもイラク人。「戦争の日常」には慣れているはずのイラク人だが、それでも以前のどの時期と比べても「ひどい状況」と多くの人が訴える。

昨日はあのアリ・サクバンの携帯電話から僕の通訳に電話があり、「いま家の近くを米軍とイラク軍がずっと巡回している。今日はこのままでは仕事に行けない。娘も学校に行かせられない」と非常に怖がっていた。彼の住んでいる地域はバグダッド市内北東部のサドルシティーに近い。

その後には、以前車の運転を何度もしてもらった友人から僕の通訳に電話があった。いきなり銃声が何度も響いているので、「何事か?」としばし焦った。しばらくそのまま電話で「銃撃戦の実況中継」を聞いていた。バグダッド市内の自宅近くで警察と何者かの間で衝突が起きたという。

いやはや、バグダッドではあちこちで予期せぬことが起きている。

さて、映画のもう一人の主人公で、クラスター爆弾で右目を負傷したハディールの行方が気になっている。http://blog.so-net.ne.jp/watai/2006-03-25 去年は大丈夫だったのだが、彼女の住んでいる地域がまたこれがややこしくなった。

彼女はシーア派の家族で、バグダッド市内南部のドーラ地区という場所に住んでいるのだが、以前はスンニ派もシーア派も混在していた。しかし実際にはスンニ派の人たちの方が多かったので、この1年でスンニ派の「オマル」という民兵組織があちこちに展開した。一方でいくつかの地域にはサドルシティから移動したシーア派民兵組織「マハディ軍」のメンバーがいま陣取っている。場所によっては道路を挟んで対峙・交戦しているということで、シーア派もスンニ派も、どちらの人にとっても訪れるのに「危険な地区」となった。

というわけで誰も彼女の家に行けないでいる。今日、ドーラ地区から通っている人にこれらの話を聞いたのだが、これは困った。携帯電話もないので彼女にはいま連絡が取れない。だが、何とかして探してみせる。

日本と同じで最近バグダッドも少し肌寒いのだが、来週末からもうこちらは夏時間(サマータイム)だ。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
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2007-03-21 03:35  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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