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【3月31日=続・戦火のバグダッドから その20(終)】

イラクは1日(日)からサマータイム。まさかそれを知ってなのか、急に蚊が飛び始めた。身体のあちこちをかまれてかゆい。

バグダッドに入って3週間になるが、まもなくこちらを去る。これまでも度々書いたが「長かった」。わずか3週間でこれほど時間が長く感じるのだから、自由にあちこち行き来できず、必然的に家にいる時間が長くなって、夜は電気が来ないことも多いから、バグダッドの人たちにとってはもっと長い時間が毎日流れていると思う。

バグダッドの街中は確かに「厳戒態勢」だが、一方で人通りが全くないわけではない。ずっとシャッターを閉じているお店が多い一方で、ある大通りのお店や市場はそれなりに毎日混雑し、子供たちが学校に通う風景もそれなりにある。「可視的」な部分ではこの街で殺し合いが起きているとは到底想像できないが、「不可視」の部分では地獄の殺戮がずっと続いている。

ともかくあらゆる場所や出来事が非常に見えづらくなった。聞く人によって大きく話が異なって、情報が錯綜する。外国人だけでなく、イラクの人たちも行動範囲が極めて限定されて、「不可視」の部分で何が起きているのか把握できていない。そんな「監獄」のような状況のなかでわずかな「自由」を探す。

30日金曜日の休日はチグリス川の脇で青年たちがサッカーを楽しんでいた。そこではスンニ派とシーア派でチームが区別されているわけでもなく、みんな楽しそうに一緒にボールを追いかけている。「セルティックの中村のフリーキックは素晴らしい」と、上手な英語を話す少年が絶賛していた。先日再会したハディールからは僕の通訳に電話があった。「日本で起きた地震のニュースを見て心配している」という。ありがとう。その後、東京からはちょうど夜桜見物をしている人たちから電話があった。楽しそうな声ばかりが後ろで響いている。こちらは電話口の後ろから銃声、ヘリの爆音、爆発音がたまに響くような世界にいる。

【続・戦火のバグダッドから】の更新は今日でおしまい。また通常ペースの更新に戻ります。ご愛読ありがとうございました。3日(火)に帰国します。

▼共同通信から全国の加盟新聞社に配信(4月上旬予定)。
現地報告「フセイン政権崩壊から4年目のイラク」(全3回)
文・写真 綿井健陽

※各地方紙に掲載される予定ですが、掲載されない新聞もあります。全国紙には掲載されません。


3月23日撮影=バグダッド市内で

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売・各地で上映中
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2007-04-01 03:46  nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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