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バラエティ

▼月刊「創」8月号(毎月7日発売)
http://www.tsukuru.co.jp/
連載「逆視逆考」第7回 「『自動車絶望工場』体験記」綿井健陽

 今回の秋葉原の事件の容疑者の生い立ちを知っていく中では、私と彼の間に経歴で「共通点」があることに気づいた。それは私も自動車工場の派遣社員だったことだ。フリージャーナリストの活動を始める直前の96年、私が25歳のときだから、秋葉原の事件の容疑者と同じ年齢だ。私は埼玉県にある「本田技研埼玉製作所狭山工場」で期間工として、96年8月から翌年の3月までの7ヶ月間働いていた。まだ「派遣」という言葉はなじみがない時代だ。正規の社員ではなく、組み立てラインや塗装工程に関わる人を一時的に確保するために、3ヶ月から1年程度までの期間限定で募集される臨時作業員だ。昔は「季節工」、私が働いていた当時は「期間工」と呼ばれていた。(本文より)

▼単行本「映画『靖国』上映中止をめぐる大激論」(創出版)
http://www.tsukuru.co.jp/books/2008/07/post-29.html

〔目次より〕
第1章 「靖国」上映中止事件の経緯と発言
・「自粛の連鎖」――「靖国」上映中止事件の全経緯
・4月10日ジャーナリスト会見での発言
(李纓/田原総一朗/野中章弘/是枝裕和/鈴木邦男/原壽雄/広河隆一/筑紫 哲也)
・4月14日「靖国」上映中止問題の!)ねじれ!) (森達也)
・右翼の「靖国」試写と大討論
第2章 事件の検証――問題は何なのか
・【対談】上映中止騒動が市民社会に問うたもの (鈴木邦男×宮台真司)
・【鼎談】ドキュメンタリー映画をめぐる状況 (森達也×鈴木邦男×綿井健陽)
第3章 「靖国」上映中止事件の背景
・映画「南京1937」事件と「実録・連合赤軍」 (若松孝二)
・「ゆきゆきて、神軍」と映画を撮るということ (原一男)
・【鼎談】映画「太陽」と皇室タブー (佐野史郎×鈴木邦男×森達也)
・つくばみらい市講演中止事件とジェンダー攻撃 (上野千鶴子)

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昨日の都内でのシンポジウムで始まる前に話す内容を考えていたら、マスメディアにとって重要な要素として「事実と多様性」という言葉が浮かんだ。それを言うのに、英語で「ファクト(事実)」と、さて多様性の方はと思って電子辞書で調べると、「バラエティ」だったので苦笑。皮肉なもので、テレビはお笑いの方の意味の「バラエティ」番組は多々あるが、報道の方の「バラエティ」さはどんどん失われていくという状況になっている。

今月号の「創」の記事で知ったが、月刊誌『論座』(朝日新聞社)http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=9524 が休刊するという(まだ正式発表はされていないが)。http://www.cyzo.com/2008/06/post_606.html 「論座」といえば、僕がこの5年間ほどではいちばん多くの原稿を書いた雑誌だと思う。イラク戦争関係が多かったが、400字×20枚という分量が多かった。これぐらいの量を書かせてくれる媒体はいま月刊誌ぐらいしかない。したがって、いわば書く方の訓練をさせてもらった雑誌だ。

以前カメラマンの友人に、「お前がかかわると終わるんちゃうか?」と言われたことがあった。確かに、「月刊宝石」「週刊DIAS」(こんな雑誌あったの知ってる?)と光文社の2つがそうだった。テレビも最初のMXテレビの「アジアリポート」に始まり、「ニュースステーション」もそれまで長く続いたが、僕がやり始めて1年ぐらいで終わった。NHKのETV特集での「ビデオジャーナリストは見た」シリーズも同じだった。1回だけやった日本テレビの「きょうの出来事」も…。

まるで僕は休刊・打ち切りの「疫病神」である。さて、いま書いている「創」はどうなるんだ。最近書いてないけど「週刊金曜日」は大丈夫かな。「DAYSJAPAN」も心配だ。最近テレビの方はTBSが多いが、「NEWS23」は視聴率で苦戦しているというから、この先どうなるのか知り合いのTBS関係者はやきもきしている。

しかし、小さな紙媒体なんてどこも経営が苦しいというのに、朝日新聞のような大きいところで「赤字だから」「売れない」と、経営サイドから簡単に切り捨てられていくのは本当に困る。社員の人もこれはもっと怒るべきだ。ネットのような無料が基本で、ファッション雑誌やフリーペーパーのような広告で成り立つ雑誌ばかりが乱立している。しかし、お金をもらって書くところ、お金を払って読むところは、だんだんバラエティから同一化・単一化していく。辞書を見ると、バラエティに「変種」(かわりだね)という意味もあったが、いまや世の中からはそんな「変種」はだんだんはじかれていく存在か。大きな流れに沿って合わせて身をまかせ、ところでいったいどこへ行くの、行きたいの?

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
DVD発売中

月刊「創」連載『逆視逆考』
http://www.tsukuru.co.jp/
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2008-07-13 21:22 

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